在る
歩くのをやめた瞬間に今まで考えていたことをすぐに忘れてしまう。
今日はなんだか散々な夢を見て、人を投げたり投げられたりしました。
そこは過去に住んでいた街だったり家だったりしました。
足が無造作にばらばらと置かれています。
この音楽を終わらせてはいけないと思い、終わる直前にリピートボタンを押しました。
やる気をなくした教団施設がカラフルに塗られていくのを横目に、川に小石を投げつけました。
少しの間だけ見て見ぬ振りをすれば、小綺麗な街の出来上がり。
長い長い坂道を登りきった先には鉄塔が立っていました。
なんだこんなものかと少し落胆しました。
歩みを止めてはいけません。
今にも倒れそうな建物が乱立しています。
ガシャンガシャンと目の前の景色が万華鏡のように変わります。
蔦が絡まりあっている。
歩みを止めてはいけません。
ガシャンガシャンと目の前の景色が万華鏡のように変わります。
木が街を侵食している。
歩みを止めてはいけません。
ガシャンガシャンと目の前の景色が万華鏡のように変わります。
灰色の雲が空を覆っています。
この街にはこの色がお似合いです。