「放て」
深夜11時の大きい道路は自分以外なにも通っていないのに信号が赤とか青とかに点滅してる。
それが自分はなんだかおかしく思って、クスクスと笑った。
誰かに見られているかもしれないのに、声を出して笑った。
コンビニとかファミレスの明かりがびがびかと光っている。
あははは、誰かに見られているかもしれないのに、声を出して笑った。
きっと、今この瞬間くるくると踊りながら横断歩道を渡っているのは世界中でわたしだけ。
今だけわたしは世界で特別な「誰か」だ。
ふふふ。
今なら好きなあの子にとっておきのメッセージが送れそう。